近年徳島県内での宿泊者数が低迷しています。
四国遍路が誕生し1200年記念の2014年こそ、四国八十八ヶ所巡りの影響で最下位を免れましたが、2015年で再び宿泊者数が元に戻ってしまった状況です。
この徳島県が抱える重要な課題を少しでも解決したいという想いから、本サイト”徳島観光インサイト”を制作しました。
コンビニやスーパーでの買い物分析でしばしば行われるデータマイニングの手法、“アトリビューション分析”のイメージです。 アトリビューション分析とは、「コンビニでAという商品を買った場合に併せてどの商品(B,C,D…)が一緒に買われているのか」ということを理解できる分析手法です。この分析手法からヒントを得たアイディアが今回の制作です。 つまり今回の場合、“徳島に来た人”は“その他のどの都市”にいくのかを可視化し理解するという試みです。この中で各々の特徴を把握することができれば、今後の徳島の観光施策に活かすことができるという仮説に基づき行いました。
旅行口コミサイト、トリップアドバイザー(https://www.tripadvisor.jp/ ) に公開されている徳島県のホテルに宿泊者の口コミデータをプログラミングでデータを取得して、徳島の観光についての分析を試みました。本作品の制作にあたり、トリップアドバイザーからコンテンツ使用許可を頂いています。
“都市部のホテルに泊まった人”と“田舎のホテルに泊まった人”との間でどのように差があるのかを分析しました。 徳島県の中でも市街地にあたる“徳島市”、そして古民家が立ち並ぶような落合集落がある地方部での宿泊者の傾向の違いを把握する目的です。 つまり、今回は下記の宿泊施設(ホテル)が今回のデータの該当範囲です。
徳島の市街地
・徳島市 ホテル
徳島の地方部
・美馬市 ホテル
・三好市 ホテル
・東みよし町 ホテル
・つるぎ町 ホテル
複数回徳島のホテルに宿泊している人はその回数に応じて、口コミ投稿数が倍増してカウントされます。これは、データを取得時における作業上の都合により生じたカウント方法ですが、何度も徳島に訪問しているユーザーに対する“重み付け”の意味合いも兼ねているため採用しています。
(例)10回口コミを投稿しているユーザーが徳島のホテルを3回利用した場合、合計30投稿となる。
これは、“徳島市内のホテル”宿泊者の仕事目的・観光目的を合わせた集計の結果です。placeが場所、Freqが出現頻度を表しています。テーブル項目の上下で降順・昇順の切り替えが可能です。 阿波踊り会館や眉山を筆頭に比較的徳島駅に近い観光施設を訪れていることがわかります。 その一方で、徳島の都市部のホテルからは離れた場所にありますが、大歩危小歩危や祖谷のかずら橋といったような徳島の自然やその中にある歴史を触れられる観光施設にも大きく関心を持っていることがわかります。
特にランキングの上位にあるものが徳島ラーメン店でした。徳島に来る方の多くが徳島ラーメンを楽しみにしていることがこのデータから理解できます。
“仕事目的”の徳島市内ホテル宿泊者は、「大阪市・京都市・東京」を筆頭に関西の都市圏、そして「高知市・高松市」といった近隣県に行く傾向が見られます。
(注意)上記“仕事を目的”とする“徳島市内のホテル”宿泊者のテーブルのみデータ量を制限するため、Freqが3より多いものだけを表示しています。
“観光目的”の徳島市内ホテル宿泊者の行き先は“仕事目的”の場合とほぼ同じ結果になっています。
ここでの注意点は、マチュピチュやクスコといった世界遺産の都市が上がっていますが、これは1人の宿泊者の行き先が集計上の重み付けを行うことで浮上してきているものです。ただ、熱心に自然に感心を寄せる宿泊者が徳島に複数回徳島に来ていることから、自然の観光資源(その裏にあるストーリーを含め)の発信も今後力をいれたいポイントでしょう。